取材

エクアドル最高峰「チンボラソ」に近づくために富士山より高い標高まで自転車で走ってきた


赤道直下の寒い場所、標高4000mを越えたチンボラソの麓で宇宙を感じました。地球が楕円形で回転しているので、赤道に近いチンボラソの山頂は地球の中心から一番離れている場所ということになります。未だ達したことの無い標高4000mに憧れもあったので、自転車でエクアドル最高峰を目指してきました。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。全くそのつもりはなかったのですが、友人のチャリダーに感化されて決意。息を切らしながらも、上ってきました。

◆アンデス山脈
コロンビア南部のカリ(Cali)を出てから、コロンビアのアンデス山脈が猛威を振るいます。ヒルクライムとダウンヒルの連続。

・6月13日 600m→1500m→900m→2000m
・6月14日 2000m→2900m→2500m→3150m→2400m
・6月15日 2400m→1800m→2900m
と、こんな標高差で走ってました。

コロンビアの次はエクアドルに入国。こちらも厳しい山道ばかりで、次の町に行く度に峠を越えています。通常なら1日100kmは漕ぎたいのですが、アンデスは山ばかりなので諦めました。毎日50kmや60kmといった距離を確実にこなしています。上り坂が続くのは大変ですが、上った分だけ壮大な景色が広がるので悪くはありません。

手付かずの緑


サボテン


深い山の中を走っていきます


アンデスの谷間を流れる河


大迫力の世界


谷を抜ける走行。左下の道を上ってきました。


険しい山並み


エクアドルに入って。眼下の町までダウンヒルでした。


エクアドル北部イバラ(Ibarra)の町


首都キト(Quito)へと向かう道。河に一度下りたので、再び谷の間を上っていきます。


キトの前に立ちはだかった壁。大きく弧を描いて上りました。


アンデスの緑をついばむエクアドルのお牛さんたち


◆チンボラソ
キトから約130km南に走ると、トゥングラワ県のアンバート(Ambato)に到着します。ここがチンボラソ攻略の起点となりました。標高2500mから4000mの世界を目指します。町を出る際にE491の道路で西に進むとチンボラソの裾野を周ります。分岐起点で東に曲がるとチンボラソ県のリオバンバ(Riobamba)まで下って、メインのパンアメリカンハイウェイに合流するルートでした。そのつもりは無かったのに、走ると決めたら期待に胸が踊ります。標高4000mを越える世界は自分を惹きつけてやみません。

グーグルマップで見るチンボラソ

大きな地図で見る

標高約2500mのアンバート市街を脱出


郊外の上り坂


だいぶ上ってアンバート市街を一望


標高3000mの空


途中の集落で下校中の子どもたちを捕まえました


標高3000mを過ぎても、普通に人が住んでいます。校庭ではサッカーをしている子どもたちに感心。……向こうも「なんでこんな所をあんな自転車で走っているんだ」と不思議に思ったでしょうけれど。


アンデスを開拓するエクアドル人のたくましさ


ようやく姿を表したチンボラソ


夕暮れ近くまで来ると、だいぶ標高を上げチンボラソも近づいてきました。


夕陽がチンボラソを赤く染め上げます


燃えるように染まった標高4000mの夕焼け


早朝のチンボラソ


ため息が出るほど美しい山の姿でした。赤道のすぐそばで真っ白な雪を被った山頂。


基本は綺麗なアスファルトでしたが、こうした未舗装の区間も出てきます。「PELIGRO」はスペイン語で危険の意味。


チンボラソを周る道


チャリダー人生で初となる標高4000mを突破


標高4000mの空では、月を近くに感じました。


チンボラソ麓の集落。標高4000mを越えても人々が住んでいます。インディヘナといわれる人たちが多くて、黒い髪と褐色の肌は東洋人に近いです。帽子に首からポンチョを被ったフリフリのスカートといった民族衣装の姿で歩いています。ちょっと手を振ってもらって嬉しかったり。


雲一つ無いチンボラソ


本当にフルパッキングの自転車で走ってきたんですから。


朝方を過ぎると雲が流れてきて、山頂がはっきりと見えません。


この分岐を曲がって、リオバンバを目指します。直進の道は太平洋まで繋がっているようでした。


荒野に現れた羊の群れ。風が強く寒かったので、あのモフモフが羨ましい。


雲が近い極限の世界


油断すると水と緑の地球に居ることを忘れてしまいます


野生のビクーニャを発見


こちらの様子を伺っていました。3匹の姿が可愛すぎ。


分岐を過ぎても、更に上り続けました。


何度でも撮ってしまいたくなるチンボラソ


この轍を真っ直ぐ進めばチンボラソの頂上まで、自転車で走れそうな気さえしました。


強い風がびゅんびゅんと吹く最高地点は標高4395m。寒くて疲れてお腹も空いて、早く下界へと下りたくて仕方がありません。


ダウンヒルの風となってチンボラソを後に


標高3000mくらいになると、標高差が増して山に貫禄が出てきます。


だんだんと遠ざかっていくチンボラソ


ダウンヒルを下りきると、本線となるパンアメリカンハイウェイに合流。午後1時過ぎで時間はあったのですが、酷く体力を消耗していたのでリオバンバの町まで下りて、早めに宿に入りました。熱めのシャワーを浴びて、生き返りました。

リオバンバを出発するときも、チンボラソはその姿を現しました。


標高6268mチンボラソ。これまでの旅で一番の山かもしれません。


標高4000mを越えた後は、空を飛んでいるような感覚でした。ペルー、ボリビアとまだまだ続くアンデスの道。機会があるなら、またどこかで標高4000mを越える場所を走りたいです。幸い高山病って感じにはなりませんでしたし。最後の大陸となった南アメリカのアンデス山脈を満喫しています。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材, Posted by logc_nt

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